曲紹介 A.ドラティ 「アリとキリギリス」 [音楽]
みなさん、こんにちは。
8月23日(金)カワイ表参道「コンサートサロン パウゼ」での演奏会まで、もう一ヶ月を切りました。今日はそこで演奏する曲の中から、ドラティの「アリとキリギリス」を紹介します。
イソップ物語の「アリとキリギリス」は、みなさんよく御存じだと思います。
ドラティはこの物語を題材にして、オーボエ一本で演奏する曲を書きました。
それが「独奏オーボエの為の5つの小品から"アリとキリギリス"」です。
物語の原作では、アリ達から「夏のあいだ歌ってたんだから、今度は踊ったら。」と言われ、食べ物を分けてもらえなかったキリギリスは、弱り果て死んでしまいます。
そして死んだキリギリスをアリ達は食べてしまうという、なんとも子供には残酷な結末になっています。
日本で知られた物語とは結末が全く違いますね。
作曲者のドラティは、この原作に沿って作曲をしました。
勝手気ままに生活するキリギリスや、忙しく歩き回るアリのキャラクター、それに物語の推移を、ドラティは1本のオーボエで表現しようと試みています。
3分くらいの短い曲ですが、弱々しく歩いているキリギリスや、最後にバタッと倒れて死んでしまう所まで細かく表現されています。
それでは、楽譜をちょっと見てみましょう。
最初(A)にキリギリスのテーマが出てきます。
比較的高音域を使い、音も跳躍させたりして不安定感を醸し出し、同じような音型でも少しずつ変化させ、しかも拍子もずらしたりして規則性の無さを印象付けて、キリギリスの勝手気ままな行動を表現しています(Cも同じように出てきます)。
それとは対照的に、Bから始まるアリのテーマでは、半音階的な速い16分音符の動きで、細かく動くアリの足や忙しく働いて動き回るアリを表現しています。
そしてCからはキリギリスとアリの会話らしき所です。
ここで演奏者として注意しなくてはならない所は、交互に出てくる、軽々しく不安定なキャラのキリギリスと、せわしなく動き回るアリのキャラを、演奏し分けることです。
大切なのは、所々キャラが変わるときの「間」、そして強さと弱さを印象付ける舌つき(タンギング)などです。
Dからは食べ物を探し、弱々しく歩いているキリギリス。
最後の方は歩くことも出来なくなっていきます。
Eから元気でアグレッシブなアリがまた登場して、キリギリスとの状況の違いを表現しています。
最後(F)は、キリギリスが息絶えてバタッと倒れてしまうところを表現しています。
もう一度、全体像を見るとこうなります。
如何ですか?
色々な解釈、考えがあるとは思いますが、この曲を演奏し自分が感じたのは述べた通りです。
この内容を思い浮かべながら曲を聴くと、キャラクターの違いや、物語の進行をより感じることが出来ると思います。
演奏会をお楽しみに!!
オーボエ・サロンコンサートの情報はこちら
P.S.
日本に到着しました。
やっぱり日本は蒸し暑い。
8月23日(金)カワイ表参道「コンサートサロン パウゼ」での演奏会まで、もう一ヶ月を切りました。今日はそこで演奏する曲の中から、ドラティの「アリとキリギリス」を紹介します。
イソップ物語の「アリとキリギリス」は、みなさんよく御存じだと思います。
ドラティはこの物語を題材にして、オーボエ一本で演奏する曲を書きました。
それが「独奏オーボエの為の5つの小品から"アリとキリギリス"」です。
物語の原作では、アリ達から「夏のあいだ歌ってたんだから、今度は踊ったら。」と言われ、食べ物を分けてもらえなかったキリギリスは、弱り果て死んでしまいます。
そして死んだキリギリスをアリ達は食べてしまうという、なんとも子供には残酷な結末になっています。
日本で知られた物語とは結末が全く違いますね。
作曲者のドラティは、この原作に沿って作曲をしました。
勝手気ままに生活するキリギリスや、忙しく歩き回るアリのキャラクター、それに物語の推移を、ドラティは1本のオーボエで表現しようと試みています。
3分くらいの短い曲ですが、弱々しく歩いているキリギリスや、最後にバタッと倒れて死んでしまう所まで細かく表現されています。
それでは、楽譜をちょっと見てみましょう。
最初(A)にキリギリスのテーマが出てきます。
比較的高音域を使い、音も跳躍させたりして不安定感を醸し出し、同じような音型でも少しずつ変化させ、しかも拍子もずらしたりして規則性の無さを印象付けて、キリギリスの勝手気ままな行動を表現しています(Cも同じように出てきます)。
それとは対照的に、Bから始まるアリのテーマでは、半音階的な速い16分音符の動きで、細かく動くアリの足や忙しく働いて動き回るアリを表現しています。
そしてCからはキリギリスとアリの会話らしき所です。
ここで演奏者として注意しなくてはならない所は、交互に出てくる、軽々しく不安定なキャラのキリギリスと、せわしなく動き回るアリのキャラを、演奏し分けることです。
大切なのは、所々キャラが変わるときの「間」、そして強さと弱さを印象付ける舌つき(タンギング)などです。
Dからは食べ物を探し、弱々しく歩いているキリギリス。
最後の方は歩くことも出来なくなっていきます。
Eから元気でアグレッシブなアリがまた登場して、キリギリスとの状況の違いを表現しています。
最後(F)は、キリギリスが息絶えてバタッと倒れてしまうところを表現しています。
もう一度、全体像を見るとこうなります。
如何ですか?
色々な解釈、考えがあるとは思いますが、この曲を演奏し自分が感じたのは述べた通りです。
この内容を思い浮かべながら曲を聴くと、キャラクターの違いや、物語の進行をより感じることが出来ると思います。
演奏会をお楽しみに!!
オーボエ・サロンコンサートの情報はこちら
P.S.
日本に到着しました。
やっぱり日本は蒸し暑い。
記事をいつも楽しんでいます。
7月中旬より、検査入院しているため
コメントはしてませんが、全記事読んで
おります。
ご帰国されて、準備に多忙の日々でしょうが
ご成功を<祈>。
コンサート終了後の感想もUPしてくださいね。
健康体だったのに、
人生初の入院経験の文月より❦
by ✿文月✿ (2013-07-28 09:31)
お帰りなさい!
暑い日が続きますがお身体を
大切に滞在を楽しんでください。
by のび太 (2013-07-30 10:15)
文月さま
あらら、大丈夫ですか?
人生初の入院ですか・・・、でも検査入院で良かったのかな?
ちょっと長い入院とは思いますが、大きな問題がないことを願っています。
早く退院できるといいですね。
入院中もこのブログをご覧頂き有難うございます。
by Tommy (2013-08-06 09:43)
のび太さま
先日帰ってきました。
今年(東京)はあまり暑くなく、時差ボケ解消の為には助かりました。
これから一ヶ月ほど滞在するので、日本を楽しめると思います。
by Tommy (2013-08-06 09:48)
この湿気に楽器やられてませんか???
by MU (2013-08-08 23:01)
MUさま
湿気というより、クーラーに気を使ってます。
by Tommy (2013-08-18 14:34)
22日が一層楽しみになりました。
今度はどんなふうに聞こえるか楽しみです。
by 石居 進 (2014-07-28 12:52)
石居先生、申し訳ございませんが22日は「アリとキリギリス」を演奏しません。
他の曲でお許しを。(笑)
by Tommy (2014-07-29 23:43)